企業の採用戦略を革新する『採用CX』とは?
67採用CXとは、採用におけるCandidate Experience = 候補者体験の略です。
なるほど。顧客体験(Customer Experiece)の、候補者バージョンのようなイメージだね。
企業がユーザーに対してサービスを提供する上で「UX(ユーザー体験)」が重視されていたり、人材の流動性が高まる中で「EX(従業員体験)」が重視されていたり、世の中では「体験」の重要性が高まっており、採用業界でも例外では御座いません。CXという言葉は難しく感じますが、考え方は非常にシンプルです。
「候補者に、自社のことを知ってもらい、理解してもらい、好きになってもらう」ための行動全てを指します。
「知ってもらってから入社して活躍するまで、求職者との接点を持つ場所全ての体験をより良いものにしていく必要がある」という考え方です。
企業様によって、新卒なのか中途なのか、対象職種/ターゲットによって、アウトプットは変わってきますが、根幹となるCX(候補者体験)の流れは共通したフレームワークになります。
認知→興味→応募→日程調整→面接まで→面接→条件交渉→内定→内定承諾→オンボーディング
この流れを、候補者にとって一貫した素晴らしい体験にしていくために、
などあらゆる課題と実施すべき施策を地道に行い、改善していくことが採用CX対策です。
なぜ、我々が「採用CX」という概念が「採用業界に変革を起こせるか」を信じているかというと、今が ”採用難の時代” だからです。
極端に言うと「企業が候補者を選ぶ」時代から「候補者が企業を選ぶ」時代へと変化してきています。ここまでは、ここ数年ずっと言われている事ですね。
さらに、採用CX対策が重要な理由がもう2つ挙げられます。
具体的に言うと、
などです。このように、日々、おびただしい量の求人メディア・人材紹介サービスが求職者を奪い合っています。まさに「情報過多」ですね。
また昔は「稼ぎたい」「休みたい」など、それぞれの1つの軸から選択をしてきた候補者は、今では「稼ぎながら休んで、ビジョンに共感する場所で働きたい」「家から近くて、18時には退社するけど、年収を100万円上げたい」など、選べる立場だからこそand条件が増えてきているのが一般的になってきています。
毎日何十通もスカウトメールが送られてきている求職者を想像してみてください。
ほとんどの企業のスカウトをスルーする姿が想像できると思います。1つ1つのスカウトを吟味する時間はありません。
様々な価値観の元、自分に合う企業を探そうと思い、求人サイトを見ている求職者を想像してみてください。
検索結果に出てくるほとんどの企業の求人は情報が不足しており、よくわからないままページを閉じる様子が目に浮かびます。
1回の転職で、候補者1人あたりが閲覧する企業ページは平均30~40社ほど。
その大量な情報の中から、選ばれる企業にならなければいけないんだね。
現代の採用市場は情報過多であるものの、必要な情報が得られないことが多く、自分の価値観に合う会社を選ぶ上で吟味する十分な情報が不足していると言えます。
こんな時代だからこそ、「候補者から選ばれるため」のCX対策が必要と考えています。
これまでの内容をご覧頂いて、「そんなこと分かっている」という方がほとんどだと思います。
実際に、営業活動をしている際にも、人事の方からは「そりゃそうだよね」という反応を頂きます。「新しい発見だよ」と言われることはほとんどありません。
しかし、課題を把握している企業様は多いにも関わらず、CX対策を実行できている企業様は非常に少ないです。
【知っている】・【できる】と、【やっている】の間には、圧倒的な差があります。
採用サイトの製作や、SNS運用などなど…。
どれもこれも、やった方が良いことはわかっているんだけどなあ。
我々はこうなってしまっている理由に最大の課題を感じています。その課題とは「リソース不足」です。このリソース不足は2つの分類に分かれます。
1つ目は、人手不足や採用予算不足などの「物量的なリソース不足」
2つ目は、ノウハウやフレームワークなどの「定性的なリソース不足」です。
物量的なリソースはある程度仕方がありません。限られたリソースの中から出来ることからやっていくしかありません。
問題は定性的なリソース不足の”成功の型”が分からないまま、闇雲に採用活動を続けてしまっている企業様が多いことです。
ただでさえ、リソースが限られている中で、ズレた施策に人的リソース・金銭的リソースを投下してしまっていることほど、勿体ないことは無いです。
ここからは、我々が考えている”成功の型”の一部、成功の型の中でも、より重要度の高いものをご紹介させて頂きます。
最初は上流設計です。この上流設計が最も重要で、8割型成功を決める要因となると言っても過言ではありません。上流設計では、この3つのことを決めましょう。
■ターゲット(WHO):誰を対象者とするのか
■自社の強み・アピールポイント(What):何を価値として提供していくのか
■キャッチコピー(How):どのように発信していくのか
「なんだ、そんなことか」と感じた方も、批判的な目で、もう1回考え直して頂くことをおすすめ致します。それぞれの細かい設定説明は、また別の記事でご紹介させて頂きますので、今回は要点を絞ってお伝えします。
①社員の事をもっと知ろう
自社の社員は、過去のターゲットです。特に活躍されている社員は、なおさらターゲットの可能性が高いです。
まずは社員の転職活動時のリアルな話を聞きましょう。時系列でヒアリングをしていくと、立体的にターゲットが理解できます。
例えば「そもそもいつから、前職からの転職活動を考え始めた?→最初どういう採用手法に登録した?→そのときにどういう企業の探し方をしてた?→何社くらいエントリーした?エントリーした理由は?」などなど…。
過去から遡って、入社するまでのストーリーを聞けると、そんなこと考えたのか!という新しい発見があるかと思います。
自社の強みとして、給与についてを強く押し出していたけれど、
実際には研修制度の充実や、キャリアイメージが明確に持てるところが
決め手になった人が多かったみたい。
②どんなことを転職活動で考えている人か?
特に重要なのが、ターゲットの転職軸を設定することです。
言い換えると、転職先を決める上で、外せない条件です。
①で社員の話を聞こうを書かせて頂きましたが、その際に、自社の社員が転職活動時に考えていた転職軸を特に注意深く深堀りしていくことをおススメ致します。
特に自社を選んだ理由は、自社の強みになりうる可能性が高いからです。
その外せない条件に合わせたアピールが出来れば、ターゲットからの応募が増えるはずです。
①本当に強みか?
耳の痛い話ですが、他社と比較しても、特に強みで無いようなことをアピールしている企業様は多いと思います。求職者に選ばれるためには、差別化が重要です。
企業には、他社と比較して差別化できるポイントは必ずあります。色んな求人と比較してみて、似たような打ち出しになってしまっているな、と感じたら、見直してみましょう。
②3つに絞る
強みは、多く打ち出し過ぎると、1つ1つの強みがボヤけてしまいます。
スカウト文や求人原稿作成の際は、強みを3つに絞りましょう。
3つに絞る際に、なるべく強みの種類を分けましょう。【事業内容・技術・社内の雰囲気・福利厚生・育成体制】など、3つの強みが被らないように設計する事が重要です。
また、【ストーリー性と根拠があるかどうか】も重要な視点です。
例えば、
「1000万円稼げます!」
「土日祝休みでしっかり休めます!」
「しかもリーダーやマネージャーなどのポジションも空いてます!」
のような打ち出しをするとします。
一見、1つずつ「報酬」・「待遇」・「キャリア」の種類に分かれていて、要素は抑えておりますが、具体的なイメージが沸きません。
「ステップごとに設計されている研修制度の元で成長ができます。」
「また、商材も強く、成約率が○○%です。」
「平均、○○年で1000万円稼げるようになります!」
「しかも、ワークライフバランスも重視しており土日祝休みです!」
事実だけではなく、その仕組みや過程も展開する事で初めて【理解】ができます。
キャッチコピーに関しては、様々なテクニックもあり、一番難しい領域です。特に何も考えずに、感覚で書いたコピーが大当たりすることもあります。
正解は無いですが、パッと見たときに、「印象に残るか」「ワクワクするか」「分かりやすいか」の3つを軸に検証してみましょう。
また、同業他社の求人広告や採用サイトを並べてみて、比較したときに、「目立つか?」なども見ると良いでしょう。
次の3つのキャッチコピーを見てください。
あなたはどのキャッチコピーに響きましたか?
実は、これらはいずれも同じ会社のコピーなんです。
打ち出し方ひとつで、ガラリと印象が変わるなあ。
多角的な視点を持って考えることが大切なんだね。
「一人ひとりの社員の成長にコミットする」という強みを持っている会社ですが、キャッチコピー選定次第で伝わり方も変わり、そして伝わり方が結果的に自社の印象/イメージに繋がっていくため、非常に重要な要素です。
上流設計の次は、理想と現状の整理です。まずは、自社の採用活動における、CXの一連の流れを書き出してみましょう。
CXの一連の流れとは、最初に記載した「認知〜内定承諾」までの流れのことです。
一連の流れを書き出したあとは、その1つ1つのフェーズで、求職者に「どういった状態になってもらいたいか?」という理想をできるだけ具体的に書き出しましょう。
認知→◎◎な印象を持ってもらう
興味→自社の△△に興味を持ってもらう
といったイメージです。自社の社員と一緒に考えてもいいかもしれません。
「どういった状態になってもらいたいか?」が決まったら、その状態になってもらうために、「どういった情報を与えるべきか?」「どういった連絡をするべきか?」など理想の実現のための行動を具体的に決めていきましょう。
ライバルの中から選んでもらうために、より誠実な印象を持ってもらいたい。
今まで見落としがちだったけれど、候補者への連絡は当日に返すことを徹底しよう。
ここまで出来たら、今の採用活動と比較して、今出来ていることと出来ていないことを整理しましょう。そうしたら、理想のCX体験を構築するために、やるべきことがたくさん見えてくると思います。
いきなり全て出来るなんてことはないですし、すぐ出来るものもあれば、半年以上かかるようなことも出てくると思います。
緊急度や優先度を加味しながら、1つ1つタスクを潰していきましょう。
ここまでお読みいただきまして、ありがとうございました。
「採用CX」について、ご理解頂けましたでしょうか?また、CX向上のために、何をやるべきか、イメージ頂けましたでしょうか?
ご紹介させて頂いた施策は、数ある施策のうちのごく一部ですが、特に重要なものを紹介させて頂きました。ただ、記事の中で問題点として挙げさせて頂いた、
人手不足や採用予算不足などの「物量的なリソース不足」
ノウハウやフレームワークなどの「定性的なリソース不足」
に対して、いざ実際に取り組もうと思っても、なかなか難しい側面もあるかと思います。
そんなときは、弊社の「採用CXクラウド」に、是非お任せください。貴社に合った、理想のCX体験を構築するために、弊社がプロジェクトリーダーとなって、推進して参ります。
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